子育て世代の最大の悩みでもある子供の教育資金(学費)準備。
我が家も2人分の教育資金をコツコツ準備していますが、ここ最近、NISAにはじまりジュニアNISAやiDeCo、つみたてNISAなど政府の「貯蓄から投資へ」という取り組みがとても積極的になっているようにも思います。
非課税枠で上手に教育資金を貯める?
ジュニアNISAを代表に、非課税枠を活用してスムーズに子供の教育資金を貯める事ができそうなイメージがあります。
制度の啓蒙や目的はおいといて、非課税で投資することで効率良く教育資金を準備できるのかと言われれば、個人的には「NO」だと思います。
そもそも教育資金は、ある一定の時期に、一定額が必要な資金で、「必要な時期をずらす」事はできません。つまり、決まった時期に(ある程度)決まった金額を準備する事が必須となります。
投資による元本保証は無い
例えば、子供が生まれて大学に進学する前の17年間で、大学の学費が最低500万円必要になるとします。
年間の期待リターンから毎月の積立額を計算できますが、それは不確実な未来の予測で、「必ず貯まる」ものではありません。
仮に16年目まで期待以上のリターンで資金の準備できていたとしても、17年目にリーマンショック以上の暴落が起こり、気付けば投資元本を割っていた・・・と言う事も無いとは言えません。
更に、17年間、平均して期待リターンを得られなかった・・・と言う事もあり得ます。
勿論その逆もありますが、どうなるかは誰にも分かりません。
そんな不確実な方法で「ある決まった時期までに決まった金額を準備する」事ができるのかという根本的な問題が「投資」にはあります。それが「リスク」です。
分散投資でリスクを減らす
投資するにしてもリスク軽減を目標として分散投資すると言う手法も考えられます。いわゆる4資産とか8資産に分散した投資や国際分散投資等です。
そうすることで暴落時の損失をある程度軽減できると言う事にもなり、資産の大きな減少を回避できます。
しっかりとした出口戦略を考えておく
仮に、期待以上のリターンを得る事ができ、13~14年目で(投資元本と含み益の合計が)目標の500万円を超えたとします。その時点で目標達成として売却して運用益を確定し、500万円の教育資金の準備完了とする手段もあるでしょう。
明確な出口戦略を考えておく事で、確実に資金を確保するという事は大切です。
こまめに利益確定する
例えば投資している銘柄の含み益が10%を超えたら利益確定し、他の銘柄を購入するという短期売買で少しずつ増やしていくという戦略もあるでしょう。しかし、それにはそれ相応の知識と経験、時間が必要です。
いずれにしても「リターン」があるという事が前提
どういう形、どういう方法にしても、投資をするという事は、利益を得る事もあれば損する事もあるという事実があります。
必ず儲かるという保証はありませんので、元本割れした、損した場合はどうするのかを考えておく必要があります。
つまり元本割れしたら「予定よりも多くの資金を準備しなければならない」という事です。
教育資金はリスク資産で運用すべきではない
そんなこんないろいろ考えた結果、最終的に私が辿りついた答えは「教育資金はリスク資産で運用してはいけない」という事です。
教育資金は「確実に」準備しなければいけない資金です。そんな大事な資金を将来の不確実な利益のために運用したり、子供の将来をリスクに晒すようなことはできません。
「じゃあ、どうするの?」って話になりますが、「確実な方法」を選択します。
2本柱で教育資金を準備
教育資金の準備は「確実」でなければなりません。その為に私が選択した準備方法は
- コツコツ積立
- 学資保険
この2つです。
コツコツ積立
これは言葉そのままです。ただひたすら毎月必要額を積み立てます。収入の増減や年度要因、季節要因、月次要因など状況の如何を問わずただひたすら積み立てます。
その「必要な額」と「積立て続けられる額」をキッチリとキャッシュフローから導き出し、それに基づいてひたすら積立てています。
積立金は、毎月の先取貯蓄、児童手当、子供の各種お祝い金などです。子供のお祝い金などはその性格上「教育資金」と言うよりも「教育の為の余剰金」という位置付けにしています。・・・そもそも私達夫婦がいただいたものではなく、子供がいただいたものなので・・・。
学資保険
個人的にはこの「学資保険」の活用が重要だと考えています。実際、加入時にいろいろ考えました。
我が家が加入した時点では今よりは返戻率が良かったです。銀行の預貯金よりも高金利で、生命保険代わりにもなりますし、何より元本割れリスクがなく確実に貯まっていく事がメリットです。
保険会社の破綻の可能性も否定できませんが、投資リスクよりは遥かに低いと考えています。
今後、必要な教育資金は増える
個人的に思っているんですが、日本は金融政策で「物価上昇2%を目標」にしています。
現在国公立大学に4年間通うのに必要なお金が最低500万円といわれています。
今後同水準で物価が上昇すると考えると・・・我が家の場合は12年後に教育資金が必要になるので、単純に必要な教育資金500万円が毎年2%の複利で12年間増え続けると考えた場合、12年後には約635万円になります。下の子は14年後なので、約660万円必要になります。
これに受験費用等を1人50万円必要とすると、必要額が500万円から700万円に増えます。
決して無謀な金額ではなく、今後のインフレから想定すると若干割安くらいかもしれません。
国の制度や救済は常に遅れて役に立たない
今の保育園問題もそうですが、共働き、保育園不足、少子化が言われ続け悲鳴をあげていた世代の子供達が小学校に入学した頃に「幼児教育無償化」って・・・。
恐らく数年後から大学の学費が払えない「大学教育費リスク」が叫ばれ、大学進学率が徐々に落ち、大学側も学校運営の為に学費アップという負の連鎖がはじまり、10年後くらいに大学進学の補助金や制度が見直され、15年後くらいに施行・・・その頃には学費が必要だった世代の子供達は勿論、超少子化時代の子供達もとっくに社会人になっている・・・みたいな事を私は頭の中で想像しています。あくまで私個人の想像ですけどね・・・。
そういう究極にレスポンスの悪い国に何かを求めること事態が間違っているのは分かっています。一応毎回ちゃんと選挙に行って票を入れている身としては「何もかも遅いんだよ!」と一言くらいは文句を言わせてください。
適切な情報収集と実践力
今の時代は何かに、誰かに助けてもらうという発想は難しい。いろんな方向にアンテナを伸ばして情報を収集し、その中から自分で適切なものを選んで実践していくとこが大切だと思っています。言葉が悪いですがまさに弱肉強食って感じで、弱ければすぐに食われてしまいます。
強者になる事は難しいかもしれませんが、強者に食われないように生きていく事は可能だと思っています。
特に教育資金については、「確実性」を重視し、地味でもコツコツと着実に準備することが大切だと思います。
これはあくまで私の個人的な意見で、しっかりと運用で教育資金の準備ができている方もいらっしゃると思います。ただ、全員が同じタイミングで同じ額を同じように投資するわけではありませんので、同じようにやっても同じ結果にならないのが「投資」だと心得ています。そういう意味でも自分や家族にとっての「最適解」は十分に検討する価値があると思います。